Windowsを使用している絵師さん・作家さんに送る転ばぬ先の杖

超簡単なボリュームシャドウコピー(または『以前のバージョン』)

はじめに

TwitterなどのSNSを眺めていると『ファイルが壊れた!』『間違って上書きした!』『間違って削除した!』という悲鳴が度々聞こえてきます。
これらは本来ちゃんとバックアップを取っておけば回避出来ることなのですが、作業中に毎回毎回別領域へのバックアップを実施するのでは作業の効率上もあまり良いとは思えません。

これをもう少し軽減できないか? という観点から今回の文章を起こしてみました。

ボリュームシャドウコピーとは?

さて、今回紹介する『ボリュームシャドウコピー』、省略形で『VSS』とか単に『シャドウコピー』とも言われますが、どこぞの重症中二病的な表現を使って簡単に表現すれば『パラレルワールドを作成する』能力です。

この機能を使うとその時点での世界(ディスク)の状態が分岐され、分岐元の世界は状態が固定化されて一切の変更を受け付けなくなります。
そして、分岐されたばかりの世界は元の世界と同一ですが、こちらは普通に変更が可能となっています。そして何らかの状態が変更された(ファイルの更新や削除など)瞬間に元の世界とは別の世界として完全に独立します。

分岐直後の世界

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分岐後、変化のあったそれぞれの世界

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なお、どこぞのゲームで表現されているパラレルワールドの一概念『世界線』と違うのは元の世界が再構成されたりせずちゃんと残っており、完全に並行世界(パラレルワールド)となっているところですが、元の世界はそれ以上変化が発生しません。

世界の覗き窓

さて、これだけでは単に『固定化された世界が作られただけ』という状態ですが、これを分岐先の世界から覗くことが出来るのが『以前のバージョン』という機能です。
(残念ながらこちらは中二っぽいネーミングではありません)

この『以前のバージョン』ですが、ファイルもしくはフォルダの『プロパティ』に列んでいる『以前のバージョン』というタブが該当します。
このダイアログから過去の固定化された世界をのぞき見ることができ、ずらりと過去のバージョンが列んでいると思います。

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ここで復元したい時間軸のファイルやフォルダを選択して『開く(O)』ボタンで参照することができますので、このファイルを任意の場所にコピーすればその時に固定化されたファイルを取得することができるのです。

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……ただし、これにはいくつか条件があります……

世界分岐を実現する方法

大まかに言って次の三点が重要になります。
・『ボリュームシャドウコピー』機能がファイルのあるドライブで有効であること
・PCが午前0時を超えて起動されている、またWindowsUpdate?もしくはWindowsのバックアップ機能が当該ファイルの更新前後で一度以上動作したことがある
・Windows7または10であること

ボリュームシャドウコピーが有効

まず、『ボリュームシャドウコピーがファイルのあるドライブで有効であること』ですが、通常WindowsはシステムドライブであるCドライブのみが有効となっています。
これはこのシャドウコピー機能がWindows Update時に実行されるため、標準で有効化されていることによるものです。
もし、ファイルのあるドライブがCではない場合は、ドライブ単位で個別に設定を有効にしておく必要があります。

Windows 10の場合(7でも同様)、『PC』アイコンを右クリックし、『プロパティ』⇒『システムの保護』を選択すると、保護設定というドライブ一覧が表示されます。
ここでCドライブ以外でシャドウコピーを有効にしたい場合は、『構成(D)...』ボタンを押して、『システムの保護を有効にする』にするを選択してください。

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また、『ディスク領域の使用量』という設定が変更可能に有効化されますが、こちらは有効時に標準でディスク領域の10%が予約されます。
ここで指定するサイズがシャドウコピーが行われる変更履歴を保存する領域となり、この領域の大きさがどれだけ過去に戻れるかを設定する事にもなります。
(世界分岐が行われた後、元の世界との違いを記録していると思ってください。ここで設定する数値はその記憶領域の大きさとなり、保存できない過去の世界は順次削除されます)

残念ながら固定化された世界はいつまでも消えないわけではなく、一時的に固定化されただけでこの領域の限界を超えてしまうと削除されてしまいます。

分岐するタイミング

次の条件『PCが午前0時を超えて起動されている、またはWindowsUpdate?もしくはWindowsのバックアップ機能が当該ファイルの更新前後で一度以上動作したことがある』ですが、 これらは『復元ポイント』というシャドウコピーを作成されるタイミングとなっています。
これらの動作がされたときに初めて、世界の分岐が行われている状態となっているのです。

現実的にWindows Updateは月に数回ですし、Windowsバックアップも一週間に一回程度動かしていれば良い方でしょう。
また『ちゃんとした生活を送っている人』が平日の午前0時にPCを起動させたままでいるなど有り得ませんね、はい。
(なお、Windows 10では午前0時の条件が消えているようですので、Updateかバックアップのタイミングしかないように見えます)

というわけで、この復元ポイントの作成タイミングを任意に変更することが可能です。
具体的な方法は以下のサイトに記載されていますので、こちらを参照してください。(丸投げ)

Windows7の「シャドウコピー」のタイミング設定変更方法 http://www.se-support.com/clientpc/volumeshadow.html

こちらで紹介されている『画面ロック時に復元ポイントを作成する』ですが、『Windowsキー+L』で画面ロックを行えばその時点で作成が実行されるため、 休憩時などに離席するとき『Ctrl+Sで保存、Windowsキー+Lを押してロックする』癖をつけておけば良いかと思います。
(あとはスクリーンセイバー起動時に画面ロックする設定を行うなど)

なお、ここで紹介されている方式では直ぐには実行されないようですので、他のパラメータを調整する必要がありそうです。
※Windows 10では上手く動作せず、現在検証中です。ただ、ここで右クリック⇒『実行する(R)』を選べば即作成が開始されますので現時点ではこちらで対応するしか無さそうです。
※今のところWindows10では前述の『プロパティ』⇒『システムの保護』にある『作成(C)...』で作成した方が確実のように思えます。

また、この他にもコマンドで復元ポイントを作成するツールもあるのですが、手元では正常に動作しなかったため、ここでは紹介しません。

Windows 7または10のみ

三点目の『Windows7または10であること』ですが、このシャドウコピーの機能はWindows7以降のWindows OS搭載されています。
(シャドウコピーの複製能力だけはWindows XP以前からも存在していましたが、『以前のバージョン』は実装されていませんでした)

しかし、Windows 8.1で一旦『以前のバージョン』としての機能は失われてしまい、Windows 10で再び復活するという状況ですので、この記事は7または10で有効とお考えください。

最後に

なお、この機能は純粋なバックアップではなく、一時的な論理エラーを回復するための手段でしかありません。
ディスクやPCそのものが壊れたりした場合にはどうしようもありませんので、こちらは定期的なバックアップで対策するしかありませんのでご注意ください。


この機能でせっかく書いた文章が消えた、PSDファイルが壊れたなどのとても悲しい悲しい世界への損害を少しでも軽減されることをお祈りしております。


添付ファイル: fileshadowcopy_05.png 256件 [詳細] fileshadowcopy_02.png 263件 [詳細] fileshadowcopy_04.png 290件 [詳細] fileshadowcopy_03.png 210件 [詳細] fileshadowcopy_01.png 336件 [詳細]

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Last-modified: 2016-07-14 (木) 07:46:39 (708d)